今回17〜8年ぶりくらいに境港に行ったのだけど、何より驚いたのがこの「境港駅」が立派になっていたこと。私が高校生の頃は粗末な田舎の駅舎だったのに。。。(笑)
境港駅から松江市へは、直通のシャトルバスが走っています。松江駅まで40分という近さ。とても便利になりました(2013年の4月に開通したのだそうです)。私が松江へ最後に行ったのはいったい何年前のことだったのかも思い出せないくらい昔のことなので・・・かすかな記憶を頼りにとりあえず松江城周辺を散策することに。
松江城入口のバス停に到着したら、ちょうど「堀川めぐり」の案内が出ていたので、駆け込みで乗ってみることに。船頭さんがガイドしてくれながら、松江城を囲むお堀をぐるっと周遊します。このお堀は築城(1611年)と共に造られ、その当時の形を今に継承しているのだそうです。
船の中はこんな風に火燵仕様になっています。あったかくてうれしい。。(^-^)
右手には武家屋敷風の建物が「塩見縄手」が見えます。船が出発してすぐの景観が一番の見所。それ以外は、船の屋根をギリギリ低くしないと通れない高さの橋をくぐるのが一番の盛り上がりポイントかな。え〜っと、つまり見所は少ないです(笑)。日中は晴れ間も見えたのに、この堀川めぐりの途中から雨が降って来てしまいました。雨のお堀もそれなりに風情あったけど、次回は緑豊かな季節の晴天の日に再チャレンジしてみたい。
堀川めぐりが終わった頃は、もう夕闇が迫って来ていました。急いで塩見縄手の方へ歩いてみたけど、すでにどの施設も閉館。小泉八雲記念館の前までに行ったのに、あえなく玉砕......。
松江観光をするには時間が足りな過ぎました。あきらめて松江駅に戻り、山陰本線の普通列車に乗って約1時間半で出雲市駅へ到着。この日は出雲市駅前のホテルで1泊することになっていたのです。荷物を置いてからさっそく駅前の飲み屋街へ繰り出しました。
ぶらぶら歩いて適当に選らんだ寿司屋で夕飯。この時期は市場がまだ開いていなかったのだけど、やっぱり白身のネタが格別に旨い!
刺身と握りを好み&お任せで一通り楽しんだあとに、店主がサービスで出してくれたアワビのキモ。濃厚で美味なり♪
もう少し飲んで帰ろうと、また夜の繁華街をあてどなく歩いていたら、お店の前にじっと陣取っている猫に遭遇。。まるでここにおいでよと手招きしているような。。(笑)
もちろん、猫の招きに間違いはない。カンターだけの小さなお店でしたが、ママさんや常連のお客さんとの話が弾み、楽しい一夜となりました。そしてふとした話の流れで、隠岐の島に行ってごらんなさいって話になった。そういえば隠岐の島にはまだ行ったことがなかった。近いのに。休みとれたら夏に行ってみようかな。。
1月4日の土曜日、外は冷たい雨。出雲大社へ訪れるのはかれこれ25年ぶりくらいかな。
JR「出雲市駅」と出雲大社は結構離れていて、バスや電車で約20分くらいかかります。電車の場合の最寄り駅は、一畑電鉄の「出雲大社前駅」。
これがその一畑電鉄のローカル電車。レトロ感漂わせるかわいい黄色い車両。これは3000系という車両で、いくつか違うタイプが走ってるようです。
ここが参道の入口、勢溜の大鳥居。「出雲大社」と刻まれた大きな石碑に心ときめきました。人の勢いが溜まることから「勢溜」と名がついたそうです。
無彩色な参道に、色とりどりの雨具が鮮やかな色彩をにじませています。あいにくの雨だったけど、白い息を吐きながら歩く参道は、凛とした気配に包まれていました。
大鳥居からゆるやかな勾配の参道を下って歩くと、外界とは違う世界へと降りていくようです。祓橋を渡ると再び鳥居があって、その先は見事な松の参道が続いていました。
青銅で作られた「銅鳥居」をくぐって拝殿に望むと、あの有名な大きな注連縄が視界に飛び込んできます。その圧倒的な存在感にしばし魅入ってしまいます。。
当然のことながら、御本殿の中には入れません。八足門前をくぐって手前のところまでは入れてもらえるのですが、そこから参拝するだけ。外に出て左右に回ると塀越しに御本殿の姿を垣間見ることができます。遠目で見てるだけでも、力強い凄みが伝わってきます。
こちらは昭和になってから造営された「神楽殿」。この注連縄が日本最長のものなのだそうです。結婚式やご祈祷などはここで執り行われるのでしょう。
参拝を終えた頃はちょうどお昼時。「出雲そば」が名物なので、老舗の「八雲そば」へ。長蛇の列でしたが、20分ほど待ってようやく店内へ。ひさしぶりに食べる割子そばに感激。。しっかりした噛み応えのある麺と、醤油の風味がきいたそばつゆ。
今回はじめて知ったのですが、出雲は「ぜんざい」の発祥の地なのだそうです。そう言われると食べて帰らずにはいられませんね。。(^-^)
帰りの一畑電車は、行きとは違う形のレトロな電車。なかなかいい顔してます。
出雲大社への参拝を終えたあと、再び山陰本線を乗り継いで米子に戻ってきました。この日は、市内にある皆生温泉のホテルに宿泊。夜明け前に目がさめて窓を開けたら、荒涼とした日本海の海が目の前に広がっていました。海からの潮風、荒々しい波、寂し気な波の音。そのすべてが懐かしくって、いろんな想いが込み上げてくる瞬間でした。
皆生温泉に宿泊するのって、実ははじめて。実家から車で7~8分の距離なので、わざわざ泊まりに行く機会がなかったのです。かつては温泉というより歓楽街の印象が強かったけど、今では海辺の温泉郷としてそれなりの観光拠点になってる感じ。美肌の湯としてアピールしてるんだとか。確かに温泉入ったあとは肌がつやつや。いい湯でしたよ。
私が泊まったのは、海がすぐ目の前にある「皆生シーサイドホテル」。全室オーシャンビューで、部屋も広くて快適。料理もなかなか美味しかった。
山陰屈指の温泉郷といっても、宿の周りにはなんにもなくって、唯一飲み屋が並ぶ通りはこんな風情...(^^;)。昭和な香りが漂っていますね。かつてはもっと華やかな街だったんだけどなぁ。。温泉歓楽街としての栄華は過ぎ去ってしまったようです。でもこの「大人のおもちゃ」の看板は見覚えあるような。少年時代、皆でこの辺りを自転車で駆けずり回って遊んでたので。
子供の頃に見た風景を思い出しながら、皆生の町をぶらぶらと歩いていたら、この「皆生温泉神社」に出会いました。こんな神社、昔からあったっけ??・・・と思ってしまったのだけど、明治時代に温泉街として整備された頃に建立(1927年)されたのだそうです。薬、医療、縁結びのご利益がある社なんだとか。「皆生(かいけ)」は、その昔「海池村」という名前だったのだと、はじめて知りました。
皆生の海岸から見る日本海。緩やかな弧を描いて、弓ヶ浜半島へと白浜が続いています。この海岸線を大山から見下ろしたときの美しさは、国内屈指の景観だと私は思っています。
2月末に奈良&京都を旅行してきました。毎年この時期に京都に行っているのですが、今回の旅のメインは奈良を回ること。
旅の始まりは、あいにくの雨。早朝の奈良駅に到着し、まず最初に向かったのは唐招提寺でした。なぜか毎回タイミングが合わなくて、唐招提寺を訪れるのは今回がはじめて。
西の京駅から薬師寺前を通って唐招提寺へと続く道が、拍子抜けする程のどかな風景。そういうところが奈良らしいなぁと、妙な感心をしてしまいます。
通り沿いの民家の瓦の形状が、ちょっと面白い。
南大門から望む金堂。
はじめて目にする金堂は、想像していたよりもこじんまりとした大きさ。圧倒されるような壮大さも、華麗さも携えていないのだけれど、じっと向き合っていると愛着が増してきます。押し付けがましさのない、穏やかで気品のある美しさ。
残念ながら撮影は禁止で写真に収められなかったけど、金堂に収められた3体の仏像は、どれも本当に素晴しい。私が一番感銘受けたの千手観音像。実際に千の手を持つ千手観音像(現存するのは953本)を目の当たりにするのははじめて。その迫力ある存在感に圧倒されました。どっしりとした風貌の盧舎邦仏坐像は、衣の襞の流線が美しい。脱活乾漆造の仏像としては最大のものなんだとか。以前、上野開催された「唐招提寺展」でこの盧舎邦仏に出会っているけれど、やはり美術館で見るのと実際のお堂で見るのとは、感動の度合いが違います。
唐招提寺の境内は緑が多く、しっとりとした風情に包まれていて、ただ歩いているだけで静かな心持ちになります。
歴史を感じさせる戒壇と宝塔ですが、鎌倉時代に作り直したものなのだそうです。
無造作に建ち並んでいる国宝の「宝蔵」。奈良時代に造られた校倉様式の建物。
鑑真和上の墓所である開山御廟。
開山御廟へと続く細道には豊かな苔が生い茂っていて、その色鮮やかな緑の絨毯が、ひと際心に残りました。